「近松座」と人間国宝、坂田藤十郎さんが北京で公演されるということで、行って来ました。
初めての保利劇場。地下鉄で行ったのですが、スイスホテル側に出てきますので道を渡ったところにあります。南新倉街も巨大な交差点の反対側にあります。歌舞伎の前に北京ダックを「大董」で食べ、なかなかオツなコースです。
一幕は「傾城反魂香」通称「吃又」でした。藤十郎さんももちろん素晴らしいのですが、「又平」役の翫雀さんが素晴らしかったです。主人公が生来の吃音であるという設定は中国の方の目にどう映ったのでしょうか。近松門左衛門は本当に奥深いんですね。よく知りませんでしたが、これが1708年に書かれたものであることに驚きを隠せません。
劇中の着替えのシーンなど、歌舞伎独特の演出に観客もとても興味深々のようでした。
帰り道すがら、衣装替えのシーンに驚いたことや、着物の話をしている中国人の観客を見かけました。
第二幕は
「英執着獅子」
衣装が華やかで踊りも素晴らしく、小さい方なのにその存在感に驚かされました。さすが人間国宝。
しかし、獅子も虎も日本にはいないのに、それが中国から絵や話で伝わり、芸術各方面に取り入れらたのだなあと改めて妙な感動。中国の獅子舞、日本の獅子舞、踊りの中の獅子。ライオンて遠路はるばるこんなに遠くまで影響を与えているのだと思うとなぜか感慨深い。
結構安い方の席でしたので、二階の上のほう。舞台はちょっと小さかった。でも声がよく通り、はっきり聞こえました。さすが!
時々、「山城屋!」と声をかけられる方がおられました。日本からファンの方が来られているのでしょうか。なぜか慣れた感じには受け取れませんでしたが。その度に中国のお客さんたちは「びくっ」とその方面に振り返っていました。この辺りも京劇の「好ハウ!好ハウ!」と同じなのでしょうね。
ロビーで以前NHK「芸能花舞台」の司会をされていたNHKのアナウンサー葛西聖司さんを見かけました。きっとこのために来られたのでしょうね。
日本にいてもなかなか見る機会のない歌舞伎(それも地元の大阪の歌舞伎)を北京で見ることができてとてもよかったです。
(や)
posted by kero at 00:00
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北京に暮らす